マイクロメートル水準の技術

機械式時計では、動力ぜんまいの力は歯車から「脱進機」と呼ばれるがんぎ車とアンクルを通して、てんぷに伝わります。

精度を司るてんぷに力を伝える重要な部品であるため、高精度で長時間持続し、耐久性の高い機械式時計のためには、高品質な脱進機は不可欠です。

グランドセイコーではMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)という技術を用いて、マイクロメートル（1マイクロメートル=1/1000mm）レベルの非常に高い寸法精度で、平滑な部品表面を持つがんぎ車とアンクルを製造しています。また、MEMS技術によってそれらの部品の肉抜き化による軽量化や、がんぎ車の歯先に段をつけるということも可能にしています。

これらにより、てんぷへの動力伝達効率の向上や、高い耐久性、高い保油性を可能にしました。グランドセイコー9Sメカニカルが精緻な時を刻み続けることを、小さな部品一つひとつの進化や改良が支えています。