Vol.6

ロングパワーリザーブへの挑戦

機械式時計は動力ぜんまいがほどける力で動き、動力ぜんまいがすべて巻きほどけると止まります。

1998年誕生のキャリバー9S55の持続時間は約50時間でした。その後動力ぜんまいの長さや厚み、幅などに改良が加えられ、現行の8振動ムーブメント キャリバー9S65では約72時間の持続時間を実現。より大きなトルクが必要な10振動ムーブメントでも、キャリバー9S85は動力ぜんまいに新素材を使用して持続時間約55時間を、2020年誕生のキャリバー9SA5では約80時間の持続時間を実現しています。

ロングパワーリザーブを実現するには、動力ぜんまい以外の部品にも改良や創意工夫が求められます。また、自動巻では動力ぜんまいの巻き上げ性能も良くなければなりません。

9Sメカニカルムーブメントはその誕生以来多くの点で進化を続けてきました。ロングパワーリザーブへの挑戦も、そのひとつです。