Vol.3
髪の毛より細いひげぜんまい
機械式時計の精度を司る部品である 「てんぷ」に取り付けられている、非常に細い渦巻き形状のものが「ひげぜんまい」です。それは髪の毛よりもはるかに細く、ひげぜんまい同士の間隔はわずか0.1mm。このひげぜんまいが機械式時計の精度に非常に重要な役割を果たします。
グランドセイコーの機械式時計では自社製造のひげぜんまいを用い、素材から改良を重ねてきています。
そして、てんぷをムーブメントに組み込む前に、「グランドセイコースタジオ 雫石」の匠たちが、この微細なひげぜんまいの調整を行います。歪みの修正には顕微鏡を使用します。ひげぜんまいが取り付けられたてんぷを回転させた時、ひげぜんまいが静かな水面に美しく広がる波紋のように見えるまで、調整は続きます。
経験豊富な匠たちの手作業で、グランドセイコー 9Sメカニカルの精度調整は行われ、その高精度が達成されるのです。