Vol.14

精度の要、てんぷ

機械式時計のムーブメントを構成する多くの部品の中でも、精度の要となるのは、てんぷです。てんぷがいかに正確に往復回転運動をするかが、精度を左右します。

そのためには開発、設計、製造、組立、調整など、あらゆる分野での革新と創意工夫、経験が求められます。

2020年に誕生したキャリバー9SA5の中で開発され、キャリバー9SC5にも搭載されているグランドセイコーフリースプラングもそのひとつ。

グランドセイコーとしては初めて巻き上げ式のひげぜんまいを採用し、精度調整は緩急針を使わずに4つの小さなねじで行います。これにより高い精度を長期間、安定的に維持することができます。

この直径わずか1cm程度の部品の中に、グランドセイコーの多くの匠たちの英知と情熱が込められています。