Vol.13
革新のデュアルインパルス脱進機
メカニカルムーブメントの精度の要であるてんぷは、動力ぜんまいの力が脱進機を通じて伝わることによって振動します。
現在のほとんどの機械式時計に採用されている脱進機の基となる機構は、約250年以上も前に発明されたものです。
2020年にグランドセイコーはキャリバー9SA5の中で、「デュアルインパルス脱進機」という、全く異なる革新の機構を開発しました。がんぎ車から直接てんぷに力を伝える「直接衝撃」と従来からあるアンクルを介しててんぷに力を伝える「間接衝撃」の2種類の伝達方式を組み合わせることで、動力ぜんまいの力をより効率的にてんぷに伝達できる独自の構造を開発したのです。
これにより、キャリバー9SA5は10振動ながら80時間という長時間持続を実現しました。