2020年7月20日、岩手県雫石町 盛岡セイコー工業 雫石高級時計工房内に、グランドセイコーの機械式時計を製造する新施設「グランドセイコースタジオ 雫石」がオープンしました。ブランド誕生60周年の節目の年に誕生したこのスタジオは、2019年完成の国立競技場の設計に携わった建築家、隈研吾氏が設計を手がけています。岩手山に対して屋根を大きく跳ね上げ、建築の中からも周辺の自然が感じられる木造建築で、グランドセイコーのブランドフィロソフィ「THE NATURE OF TIME」を具現化したものです。木立に囲まれたスタジオ内には、専任の時計師が組立・調整を行う専門工房とともに、ブランドの歴史、背景を知り楽しむことのできる展示スペース、名峰・岩手山を望むラウンジを併設し、自然との共生のなかで生み出されるグランドセイコーのものづくりを体感できる場所として一般公開(完全予約制)いたします。
「THE NATURE OF TIME」の
感性と本質を形にする
建築家 | 隈研吾⽒
岩⼿県雫⽯にある盛岡セイコー⼯業は、グランドセイコーを始め、セイコーウオッチの⾼級機械式時計製造の聖地である。グランドセイコー誕⽣60周年を迎えた2020年、新たに「グランドセイコースタジオ 雫⽯」を設⽴した。設計をしたのは⽇本を代表する建築家・隈研吾である。グランドセイコーの技術と真髄を、建築としてどう表現したかを聞いた。
「『THE NATURE OF TIME』というのは誰もが直感的に感じられる⾔葉ではないでしょうか。“時の本質”といった本来の意味だけでなく、NATUREとTIMEがどこか不思議な組み合わせで、⼀体のように感じる。この建築ではそれをより具体的に表現しました。⽊というNATUREの素材が建物に使われ、その空間でTIMEを刻むグランドセイコーが作られていくという、まさに直感的に感じられるものを具体的な形にして⾒せたのがこの⼯房なのです。そういう意味では、建物⾃⾝でブランドの⽬指す理念を体現できるというのは、建築家としても⾮常に⾯⽩い、楽しい機会だったと思います」。
建築はそれ⾃体が単体として成⽴するわけではなく、周囲の環境や条件も⼤きく関わるものだ。その点においても「グランドセイコースタジオ 雫⽯」は稀有な建築になる、と⾔葉を続ける。「これだけの素晴らしい⾃然環境の中で、匠の精神や技術が保たれ、ずっと続いてきたというのは類いまれなこと。そしてこの建物ができたことで、より⻑く継続し、守り伝えられていく。それは建物にとっても幸せなことだなと思います」。
新たに⽣まれた「グランドセイコースタジオ 雫⽯」で、匠によって「THE NATURE OF TIME」の理念が注がれたグランドセイコーが、⼿にする⼀⼈ひとりの腕元で時を刻み続ける。「皆さんがグランドセイコーを⾒た瞬間、その奥にはこういうスタジオがあって、そこにはこんな豊かな⾃然があって⼭や空があるということを感じていただけたらいいですね。そんなふうに時計が媒介になって、⾃然と⼈間がつながることを実感できたら最⾼だと思います」。
展示内容について
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- 機械式ムーブメント部品一覧
- 広々としたエントランスホールには、グランドセイコーが誇る機械式ムーブメントを構成するパーツ一覧やグランドセイコーの製造工程を展示しています。ムーブメントの精度を大きく左右する精細な作りのパーツを間近でご覧いただき、匠の情熱が生み出す息吹を体感していただけます。
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- 組立工程
- 明るい日が差し込む通路からは、ガラス越しに技能士たちが組立や精度調整を行う姿を見学することができます。ガラス手前の展示スペースには、グランドセイコーのデザイン哲学や、独自の精度基準「グランドセイコー規格」を読み解くことのできる展示が並んでいます。組立工程の中で技能士たちが使用する工具類なども展示されており、一流の技能士が持つ高い技術を体感できます。
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- 雫石オリジナルモデル
- グランドセイコースタジオ 雫石でしか手に取ることのできないオリジナルモデルSBGH283の展示、販売を予定しています。毎時36,000回(毎秒10振動)という高速振動により、安定した精度を実現するハイビートムーブメント「9S85」を搭載。スタジオを取り巻く森の新緑をイメージしたグリーンカラーダイヤルに縦のストライプ模様を施した特別なモデルです。
*こちらの限定モデルのご購入はお一人さま1本までとさせていただきます。
グランドセイコースタジオ 雫石 Grand Seiko Studio Shizukuishi
〒020-0596 岩手県岩手郡雫石町板橋61-1 盛岡セイコー工業株式会社内