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10年後の自分を思い描いて。
大草直子が提案するグランドセイコーと個性輝く4つのファッション
ファッションエディター・スタイリストとして活躍されている大草直子さん。今回は、自然に育まれた豊かな感性と道を極めた匠の技の邂逅(かいこう)を表すグランドセイコーのブランドフィロソフィー「THE NATURE OF TIME」に共感した大草さんが、腕時計に合う4つのコーディネートを提案。4つの腕時計の魅力をどのように捉え、どのような物語をイメージしながらコーディネートをつくったのか、それを紐解くとともに、大草さん流の腕時計の選び方や、哲学などについても話を伺った。
腕時計は自分を導いてくれる灯台のような存在
――大草さんにとって腕時計はどんな存在か?
大草さん:女性が腕時計を見るしぐさ、手首を捻る動作は実はセクシーで華やかで知性を感じますよね。腕時計はしぐさや生き方と紐づけられ、その人のキャラクターを表すアイキャッチのような役割もあると思います。そんな腕時計は、いつも5年後10年後の自分を託す存在。それこそ灯台のように、10年後の自分を導いてくれるのです。私が38歳の時に少し背伸びをして購入した腕時計は、今でも自分の背中を押してくれる存在です。
――腕時計を使ったコーディネートのポイントは?
大草さん:さりげなくて主張しすぎないところが、腕時計のいいところだと思っています。腕時計は、服やそのほかのアイテムとは違い、ファッションにおける表面積が小さいから、何にでも合わせられます。むしろ大切にすべきは腕時計と自分のキャラクターが合うかどうか。コーディネートに合う、合わないはないけど、キャラクターはあります。腕時計を選ぶときは、今の自分に寄り添う1本もいいけれど、10年後にどんな自分になっていたいかを想像するのがいいと思います。ファッションとライフスタイルを含めて、10年後どういう立ち位置にいたいのか。仕事をバリバリやって、今以上にキャリアを積んでいきたい、となるとハンサムな見た目や機械式がいいな、など。目指す人物像によって、今どのような腕時計を身に着けるかが変わってくると思うのです。今回のコーディネートも、個性さまざまな4人の女性をイメージして提案しました。未来の自分をイメージしながら、腕時計選びもスタイリングも楽しんでほしいですね。
いつまでも“憧れ”を追いかけて。大草直子さんが提案する4つの腕時計の着けこなし
芯の強さと上品な華やかさを、芍薬のようなピンクに映して
大草さん:芍薬にインスパイアされたモデル「STGF383」のフェイスに合わせて、思わず目を引くピンク色をリフレインしました。イメージしたのは、花びらが微笑むように咲いた華やかさの奥に、凛とした芯のある強さを持つ女性です。動いたときに揺れるフェザーのコサージュのライブ感、パンツのハリ感、シャイニー感がポイント。かわいさだけでなく、地に足のついた強さも感じられるコーディネートです。
深い知性にだけ宿る、“清潔セクシー”
大草さん:有機的なフォルムとダイヤモンドが美しい「STGK013」に合わせたのは構築的で立体的なワンピースです。腕時計に合わせて、ベルトを使ったウエストマークもコーディネートのポイント。一人の女性の中に、清潔さとセクシーさは共にある。そんな相反する要素を持つ女性をイメージしました。セクシーさは自分を信じる強さであり、ゆったりとした余裕でもあります。ミニマルなワンピースと腕時計というシンプルな組み合わせで完成する、力強さを表現したコーディネートです。
時代や時空を超えて、軽々と飛躍する、そんな⼈⽣に
大草さん:クオーツの実用性と重厚感を併せ持つ、ハイブリッドな「SBGX347」に合わせたのは、スリットが印象的なモード感のあるジャケットとデニムパンツです。イメージしたのは、流行に振り回されることなくしっかりと自分の足で立ち、合理的な思考と行動力を持つ女性。時代や時空をも軽々と超えられるような軽やかさを、コーディネートに取り入れました。
揺るぎない美しさ。新品も、10年後も…
大草さん:時差のある2つのタイムゾーンの時刻がひと目でわかるGMT機能を搭載したモデル「SBGM221」には、経年変化が美しいトレンチコートを合わせました。イメージしたのは、国際的で広い視野を持ち、世界中にたくさんの友人がいる女性です。そんな人物の手元には、日本の職人の技術と、大胆で繊細なデザイン、それから丁寧な手仕事が実現した腕時計がお似合い。飴色のレザーストラップが経年変化によりどんどん艶が出てきて、体温や肌になじんでいく。そんな過程を楽しみながら、10年経っても美しいまま、さらに美しさが増していくような人生を紡いでいきたいものです。
大草直子さんが共感する、グランドセイコーの時との向き合い方
――大草さんが考える「グランドセイコー」の魅力は?
大草さん:私がコーディネートをする際には、背景にストーリーがあることを大事にしているのですが、グランドセイコーの腕時計もそれぞれストーリーを持っていますよね。そこに私も共感しますし、グランドセイコーが愛される理由でもあるのではないでしょうか。物に世界観が宿っていると自分の人生やキャラクターを重ねることができます。そして、それを身につけることで、指針となったり、新たなコミュニケーションが生まれる契機となったりします。腕時計がそういう役割を果たせるのは、グランドセイコーならではの魅力ですね。いつかグランドセイコーの腕時計を息子に贈りたいと考えているのですが、そのときには、数ある腕時計のなかからなぜそれを選んだのか、背景にあるストーリーや世界観を含めて息子に伝え、プレゼントしたいなと思っています。
――大草さんの共感するグランドセイコーのストーリーとは?
大草さん:グランドセイコーのブランドフィロソフィー「THE NATURE OF TIME」は、自然や季節が移ろう様子に導かれる感性と、「時の本質」を追求し理想の時計を創り出そうと挑戦を続ける職人さんの姿勢。二つの日本の精神性を表現していますよね。私も自然界からのインスピレーションを大事にしていますし、むしろ自然のなかにヒントがあると思っているので、トレンドはあまりチェックしません。和服の柄にも桜や藤、牡丹など季語が取り入れられているなど、日本は昔からファッションと季節が深く結びついていますよね。そこが日本の美しさ、おもしろさだと感じます。私自身、仕事で海外に足を運ぶことも多いのですが、誠実さ、勤勉さ、緻密さ、季節の移り変わりを繊細にキャッチする細やかな美意識は日本ならではのものだと感じますね。そういった良さを理解しているからこそ、自分が普段身につけるものには色、素材、シルエット、肌心地も含めて、日本製のものをなるべく取り入れるようにしています。グランドセイコーの腕時計も着け心地が良いので、すんなりと私の一部にできているのです。
――時代にあわせて変化しながら発信し続ける大草さんの姿勢は、グランドセイコーのブランドメッセージ「ALIVE IN TIME」が目指す姿と重なる。歩みを止めない秘訣とは?
大草さん:「ALIVE IN TIME」というメッセージは、進化を止めず常に変革し続けていこうという思いだと私なりに理解していますが、私自身、同じことは絶対にやらないと決めています。昨日と今日は違うし、今日と明日も違う。常に、仕事でも何か変えていく。コーディネートに飽きる前に、とにかく新しいことをやり続ける。「前回成功したのでこの感じで」と言われても、新しいことを提案しますね。自分が飽きないため、そしてユーザーや消費者にワクワクしてもらうためです。
一瞬一瞬の時を楽しみ、歩んでいくために
大草さん:高級時計は、親や祖父母から受け継いだり、子どもに贈ったりできるという点ではジュエリーと似ていますが、違うのは、腕時計は文字通り「時を刻んでいる」ということ。上質なものを長く使い続けるという意味で、究極のサステナブルだとも思います。
初めて、私がいわゆるきちんとした腕時計を購入したのは、38歳、第三子の出産のときです。その頃の私は、まだ自分の理想がゆらゆらとしている状態。腕時計に道を照らしてもらいたくて3年間ほど探し、やっと巡り合った1本でした。少し背伸びをして手に入れたそれは、当時よりも今の方が自分に似合うと感じています。確実に腕時計が、自分をぐっと先へ引っ張ってくれました。50歳を過ぎるとどうしても逆算の人生になってしまいますが、いつまでも末広がりな人生にしたいですね。
【フェア情報】
- 「グランドセイコー レディスノベルティフェア」
- 期間:2024年11月20日(水)~ 12月3日(火)
- 対象店舗:全国のグランドセイコーフラッグシップブティック、グランドセイコーブティック、グランドセイコーサロン、ならびにグランドセイコーブティックオンライン
フェア期間中に、対象店舗にてグランドセイコーレディスモデルをお買い上げのお客様に、「LERET.H for AMARC」のサック・カレを差し上げます。
- ※全国のフェア対象店舗は、ストアリストよりご確認ください。
- ※グランドセイコーブティックオンラインは、こちらよりご覧ください。
- ※ノベルティは数に限りがございますので、なくなり次第終了となります。予めご了承ください。
「LERET.H for AMARC」のサック・カレ
大草さんが主宰のメディア「AMARC」と、パリ在住のスタイリスト兼ジャーナリストである鈴木ひろこさんが手がけるブランド「LERET.H」がコラボし、毎回発売後すぐに完売になるサック・カレを今回特別にご用意しております。
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大草直子
ファッションエディター・スタイリスト
1972 年生まれ 東京都出身。
大学卒業後、現・ハースト婦人画報社へ入社。雑誌『ヴァンテーヌ』の編集に携わった後、独立。現在は、ファッション誌、新聞、カタログを中心にエディトリアルやスタイリングをこなすかたわら、トークイベントの出演や執筆業にも精力的に取り組む。近著『飽きる勇気』(講談社)。
2019年にはメディア『AMARC(アマーク)』を立ち上げ、「私らしい」をもっと楽しく、もっと楽にするために。ファッション、ビューティ、生き方のレシピを毎日お届けしている。2021年には、「AMARC magazine」を発刊。