Vol.19
50年ぶりの小型メカニカルムーブメント
2018年にグランドセイコーは女性に向けた小型の自動巻ムーブメントのキャリバー9S25を開発し、2019年にそれをベースとしてキャリバー9S27を完成させました。かつて女性向けのメカニカルムーブメントとして1968年に手巻ムーブメントのキャリバー1964を開発していますが、キャリバー9S25とキャリバー9S27においては当時の知見を採り入れつつ、これまでの9Sムーブメントの開発で得られたノウハウも活かされています。
キャリバー9S25とキャリバー9S27の直径はわずか20mmで厚さは約4.5mm。30㎜未満の小型で美しいケースに収まるよう、体積比で他の9Sムーブメントの約1/3の大きさまで小型化されていますが、輪列や調速機を見直すことでグランドセイコーとしての高精度と高性能、高品質を維持しています。
ついに完成させた9S2系ムーブメントは、このサイズでは世界トップクラスとなる高精度を実現しながら、がんぎ車には花びらをかたどるなど、見えないところにまで気を配って作りこんでいます。